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大切な服を、長く着るために-ニット編 part.2-

クリーニング店へ依頼する場合のポイント
クリーニングに出すべき「判断基準」
すべてのニットがクリーニング店へというわけではありませんが、以下のような場合はプロにまかせた方が安心です。
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水洗い不可マークがある: 「家庭での洗濯禁止」マークがあるものは、自宅で洗うと高確率で縮んだり、フェルトのように固まったりします。

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カシミヤ・アンゴラ・シルク: これら繊細な天然素材は、「手洗い可」であっても、プロによる「ドライクリーニング」が最も風合いを損ないません。
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落ちないシミや汚れがある: 食べこぼしや化粧品の汚れは、時間が経つと落ちにくくなるため、早めに相談しましょう。

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シーズン終わりの「仕舞い洗い」: 長期間保管する前は、見えない汗や皮脂を落とし切るためにプロの手を借りるのがベストです。
知っておきたい「クリーニングの種類」
ニットを洗う場合のクリーニング店での「クリーニング方法」になります。クリーニング店によって異なりますが、当店ではウール・カシミヤ・シルク素材はドライクリーニング、綿・麻・アクリルは水洗いが基本となります。
- ドライクリーニング : 水を使わず、石油系の有機溶剤で洗います。型崩れや縮みを防ぎながら、皮脂や油汚れを落とすのが得意です。
- ウエットクリーニング : プロの技術で「水洗い不可」の品物をあえて「特殊洗剤」で水洗いする方法です。ドライでは落ちにくい「汗によるゴワつき、臭い」をスッキリ落としたい時におすすめです。

クリーニングに出す時に伝えるべき「ひとこと」
受付で以下のことを伝えておくと、トラブルを未然に防げます。
- シミの場所と原因: 「いつ、何がついたか」を伝えて、シミ抜きを依頼してください。
- ホツレや穴あき: 事前に伝えておくことで、クリーニング中の悪化を防げます(リフォームも承ります)
- 仕上りに関して: 「汗が気になる」「毛玉が気になる」など気になっていることを伝えておく、適切なコースをすすめてくれます。
クリーニングから戻ってきたら
クリーニングから戻ってきた後、そのままクローゼットに入れるのはNGです。以下の点に注意して保管しましょう。
- 包装カバーはすぐに外す:カバーは運搬用のホコリよけです。被せたままだと通気性も悪く、湿気が溜まってカビや変色の原因になります。
- 陰干しして風を通す:カバーを外した後に、気になる方は、数時間は風通しの良い場所に置いて置きましょう。
- デザインに合わせて収納:吊って収納する場合にはニット用ハンガーなどを利用し、重みで伸びる場合があるものは、たたんで収納をおすすめします。
- 防虫剤の利用:ウール・カシミヤ・シルクなどは虫が好みますので、適切な防虫剤のご利用をおすすめします(防虫加工もおすすめします)
クリーニング店での作業内容とは
1. 洗浄前の検品と採寸
プロの仕事は、洗う前から始まっています。
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状態チェック: ほつれ、虫食い、ボタンの緩み、依頼されたシミの箇所を細かく確認します。
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採寸: ウェットクリーニング(特殊水洗い)を行う場合は、洗う前に着丈や袖丈のサイズを計測します。万が一、洗浄後に縮みが出ても、仕上げの段階で元のサイズに正確に復元するためです。
2. 洗浄:汚れに合わせた2つの洗浄方法
ニットの素材や汚れの種類(油性か水性か)によって、洗い方を使い分けます。
① ドライクリーニング(基本の洗浄)
「水」は使わずに「石油系などの有機溶剤」で洗う方法です。
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メリット: 繊維が膨らまないため、ウールやカシミヤの風合いに変化が少ないのが最大の特徴です。皮脂汚れやファンデーションなどの油溶性の汚れを落とすのが得意です。
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こだわり: デリケートなニットは専用ネットに入れ、溶剤の温度や洗濯機の回転数を厳密に管理して、繊維への摩擦を最小限に抑えます。カシミヤ・シルクなどの高級素材には加工剤を別に入れます。
② ウェットクリーニング(プロの特殊水洗い)
洗濯表示が「水洗い不可」のものでも、汗などの水溶性汚れを取るためにあえて「水」と「特殊洗剤」で洗う高度な技術です。
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メリット: ドライでは落ちにくい「汗や飲食汚れなどの成分」をしっかり除去し、シミ汚れやニオイを解消します。
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こだわり: 縮み・色落ちを防ぐ特殊な「ウェットクリーニング専用洗剤」を使用し、仕上に風合い重視のシリコン入り加工剤やニット用の復元加工剤を用います。
3. 乾燥:繊維にストレスを与えない
家庭の乾燥機でタオルなどの様に熱風でぐるぐる回すことはしません。
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静止乾燥: 形を整えた状態で、「自然乾燥」「低温乾燥」を組み合わせます。これにより、型崩れや摩擦による毛羽立ちを防ぎます。
4. 仕上げ:蒸気の力で「形」と「風合い」を復元
クリーニング店でニットが見違えるほど綺麗になる最大の理由は、この「蒸気(スチーム)」にあります。
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スチーム仕上げ: 業務用プレス機で強力なスチームを下から吹き上げ、繊維の奥まで蒸気を送り込んで編み目をふっくらとさせます。
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ブロー仕上げ: ボックス型の仕上機で、内側から温風と蒸気を送り込んで、立体的なシルエットに整えます。
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毛玉・毛ゴミ取り: 専用のブラシや毛玉取り機で整えます。

⚠️ 「さらさらドライ(汗抜き加工)」はしたほうがいい?
夏場はもちろん、冬も暖房や厚着で夏場よりも汗の成分が濃いと言われています。シーズン終わりに仕舞い洗いする際は、「さらさらドライ(汗抜き加工)」を追加すると、翌シーズンに黄色いシミや虫食いが発生するリスクを大幅に下げられます。
大切な服を、長く着るために-ニット編 part.1-

ニット製品はデリケートですが、少しの手間をかけるだけで驚くほど長持ちし、風合いもキープできます。
お手入れのポイント
お気に入りの一着を長く楽しむためのお手入れポイントを、「日常」「洗濯」「保管」の3つのステップでまとめてみました。
日常のケア:着た後の「ひと手間」で差がつく
ニットは「洗う」ことと、「休ませる」「整える」ことも大切です。
- ブラッシングを習慣にする: 着用後は洋服ブラシ(馬毛や豚毛がおすすめ)で、繊維の流れに沿って優しくブラッシングしてください。ホコリを落とすだけでなく、絡まりかけた繊維をほぐして毛玉(ピリング)を予防できます。
- 1日着たら2日休ませる: 同じニットを毎日着ると、摩擦で毛玉ができやすくなり、型崩れも進みます。中2日は空けて、繊維を休ませてあげましょう。
- 毛玉は「引きちぎらない」: 毛玉ができてしまったら、手で引っ張るのはNGです。繊維を傷め、さらに毛玉ができやすくなります。毛玉取り器や小さなハサミで、浮いている部分だけを丁寧にカットしてください。
洗濯のポイント:縮みと型崩れを防ぐ
洗濯表示ラベルを確認し、「水洗い不可」でなければ自宅でもケアが可能です。

基本のルール
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使用する洗剤: 必ず「中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)」を使用してください。
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洗う時の水温: 30°C以下のぬるま湯または水で。40℃以上になると縮みの原因になります。
洗い方のコツ
| 方法 | ポイント |
| 手洗い(推奨) | 裏返して畳み、洗面ボウルなどで優しく「押し洗い」します。揉んだり擦ったりするのは厳禁です。 |
| 洗濯機 | たたんでサイズに合う洗濯ネットに入れ、「ドライコース」「手洗いコース」など弱水流の設定で洗います。 |
干し方は「平干し」が鉄則
水分を含んだニットは非常に重いため、ハンガーにかけると自重で伸びてしまうため、平干しがおすすめです。
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平干しネットの上で、形を整えて陰干しするのがベストです。
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ネットがない場合は、お風呂の蓋の上や、物干し竿に「二つ折り」にして(袖が垂れないように)干しましょう。
保管のポイント:型崩れと虫食いを防ぐ
- 畳んで保管する: ハンガーに吊るし続けると、肩の部分が飛び出したり、着丈が伸びたりします。収納時はふんわりと畳んで保管してください。
- 防虫・湿気対策: ウールやカシミヤなどの天然素材は虫の大好物です。衣装ケースには必ず防虫剤を入れ、湿気がたまらないよう定期的に空気を入れ替えましょう。
ニットの素材ごとの特徴
素材ごとの特徴を知っておくと、お気に入りのニット製品に合わせた、お手入れができるようになります。ニット製品の代表的な4つの素材について、それぞれの注意点をまとめてみました。
洗濯表示ラベルを確認し、「水洗い不可」でない場合のケア方法を、まとめてみました。

ウール(羊毛):もっともスタンダード
保温性が高く、シワになりにくいのが特徴ですが、「縮み」には一番注意が必要です。
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ポイント: ウールの繊維には「スケール(うろこ)」があり、水に濡れて摩擦が起きると、このうろこが絡まって固くなります(これがフェルト化=縮みの原因)
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お手入れのコツ: 自宅で洗う場合には、とにかく「動かさない」こと。押し洗いも、上からそっと押す程度に留めてください。
カシミヤ:繊維の宝石
非常に細くデリケートな素材で、特有の「ぬめり感」と「光沢」が命です。
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ポイント: 連続着用は絶対に避け、1日着たら2〜3日は休ませて、カシミヤ自身の復元力を助けてあげましょう。ブラッシングも、馬毛のような柔らかいブラシを使い、力を入れずに撫でるように行います。
- お手入れのコツ: 非常に繊細なので、自宅で洗う場合は「1分以内の短時間洗い」が鉄則となります。
アクリル(化学繊維):毛玉との戦い
虫食いの心配がなく、洗濯にも比較的強いですが、最大の敵は「静電気」と「毛玉」です。
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ポイント: 静電気が起きると、ホコリを引き寄せてそれが毛玉の核になります。
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お手入れのコツ: 洗濯の際には「柔軟剤」の使用をおすすめします。柔軟剤には静電気を防ぐ効果と、毛玉ができにくくなる効果があります。
コットン・リネン(綿・麻):春夏の主役
天然素材で肌触りが良いのですが、「重みによる伸び」と「シワ」が起きやすいです。
- ポイント: 天然素材のため汗などの水分が吸収されやすいので、ケアを怠ると黄ばみやシミの原因となります。
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お手入れのコツ: 水を吸うと非常に重くなるため、干す時には平干しが原則となります。
洗濯機での短時間脱水後、濡れているうちにシワを軽く叩いて伸ばしておくと、乾いた後の風合いが良くなります。
自宅でできる素材別のケア・比較表
| 素材 | 洗濯頻度の目安 | 主なトラブル | ケアの最重要ポイント |
| ウール | シーズンに1〜2回 | 型崩れ・縮み・虫食い | 摩擦を避けて優しく洗う |
| カシミヤ | 基本はクリーニング | 毛羽立ち・テカリ・虫食い | 柔らかいブラシで毛並みを整える |
| アクリル | シミが付いたら | 毛玉・静電気 | 柔軟剤で静電気対策をする |
| コットン | こまめに洗ってOK | 型崩れ・シワ・色落ち | 伸びないよう必ず平干しにする |
⚠️ 注意点:混紡(ミックス)素材の場合は?
洗濯表示を見て、素材を確認し「一番繊細な素材」に合わせてケアしてください。
例えば「アクリル70%・カシミヤ30%」であれば、カシミヤを基準とし(手洗いで丁寧に)扱うのがポイントです。

大切な服を、長く着るためにーレザー(皮革)編-

基本の日常お手入れ
特別な洗剤を使う前に、まずは「汚れを溜めない」ことが最も大切です。
- ブラッシング: 馬毛ブラシなどでホコリを落とします。縫い目や隙間は特に念入りに
- 乾拭き: 柔らかい布(綿100%の古布などでOK)で優しく拭きます。これだけで手の脂が馴染み、自然なツヤが出ます。スレて切れたり折れたりする
しっかりクリーニングの手順(月1回〜)
表面の汚れが気になってきたら、以下のステップで行いましょう。
| ステップ | 作業内容 | ポイント |
| 1. 汚れ落とし | クリーナーを布に取り、全体を優しく拭く。 | 直接革に塗らないのが鉄則です。 |
| 2. 保湿・栄養 | レザークリームを薄く塗り広げる。 | 人間のスキンケアと同じで、乾燥を防ぎます。 |
| 3. 仕上げ | 綺麗な布で余分なクリームを拭き取る。 | ベタつきが残るとカビの原因になります。 |
| 4. 乾燥 | 風通しの良い日陰で休ませる。 | 直射日光はひび割れの原因になるのでNG。 |
よくあるトラブルへの対処法
水に濡れてしまった場合
- すぐに乾いたタオルで水分を吸い取ります(擦らずに、押し当てるように)
- 形を整え、中に新聞紙などを詰めて陰干しします
- 乾いた後は革の水分が抜けて硬くなりやすいため、必ずクリームで保湿してください。
カビが発生した場合
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軽度: 外でブラッシングし、硬く絞った布で拭き取った後、革製品用のカビ用スプレーなどを使用します。
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重度: 根を張っている可能性があるため、無理せず専門のクリーニング店へ相談することをおすすめします。
⚠️ 注意点:これだけは避けて!
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水洗いは原則NG: レザー専用のソープを使わない限り、丸洗いは型崩れやシミの原因になります。
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ドライヤーで乾かさない: 急激な熱は革を硬化させ、修復不可能なダメージを与えます。
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目立たない場所でテスト: クリーナーやクリームは、必ず底面や内側で変色しないか試してから全体に使いましょう。
プロに任せるべきタイミングよくあるトラブルへの対処法
家庭での市販品によるケアでは限界があるため、以下の様なケースでは、無理せずにクリーニング店に依頼するのが賢明です。
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カビが根を張っている: 表面を拭いても臭いや跡が取れない場合
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色が褪せてきた: 角スレや日焼けで色が落ちたものは、クリーニングではなく「補色(リカラー)」が必要です。
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頑固なシミ: 油汚れやワイン、インクなどは自力で落とそうとすると輪ジミや色落ちの原因となります。
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裏地の汚れ・破れ: 内側のベタつきや破れの補修は専門技術が必要です。
料金と期間の目安について
レザーは特殊な洗浄方法や手作業が必要なため、一般的な衣類より高額で日数が掛かります。
| アイテム | クリーニング相場 | 期間(目安) | 備考 |
| 財布・小物 | 4,000円 〜 8,000円 | 3週間 〜 1ヶ月 | ブランド品は加算あり |
| バッグ | 8,000円 〜 20,000円 | 1ヶ月 〜 2ヶ月 | サイズや素材で変動・ブランド品は加算あり |
| レザーウェア | 9,000円 〜 16,500円 | 1ヶ月程度 | ダウンはプラス料金・ブランド品は加算あり |
| レザーウェア(リカラー) | 6,600円 〜 24,750円 | 1ヶ月 〜 2ヶ月 | |
| 靴(ブーツ等) | 6,800円 〜 13,200円 | 3週間 〜 1ヶ月 | ブランド品は加算あり |
| 靴(クリーニング+リカラー) | 10,450円 〜 13,200円 | 1ヶ月程度 |
「汚れを落とす(洗浄)」と「色を戻す(補色)」は別料金です。
購入時の見た目に戻したい場合には、「クリーニング+リカラー」の料金になります。
クリーニングに出す前のチェックポイント
トラブル防止のために、クリーニングを依頼する前に、必ず以下を確認してください。
- ポケットの中身: 意外と忘れがちですが、確認してください
- 傷・シミの箇所の撮影: 「出す前にはなかった傷」を防ぐため、スマホで全体と気になる部分を撮っておき、クリーニング店に伝える
- 付属品: ベルトやフードなどの付属品は一緒に出してください(プラス料金になります)
- ブランド保証: 高級ブランド(エルメスやシャネル等)の場合、社外で色を塗り替えると正規店での修理が受けられなくなる「改造」とみなされます。資産価値を保ちたい場合やリセールを考えておられるなら正規店へ相談をお願いいたします。

冬の定番アウター ダウンウェアについて
意外と知られていないダウンウェアの起源とは?
冬を代表する衣類として定着したダウンウェアですが、その起源を辿ると「軽くて暖かい」以上の意味が見えてきます。
ダウンジャケットが誕生したのは今から約90年前。1936年にドイツ系アメリカ人のエディ・バウアー氏が発明しました。
冬の釣りの最中に低体温症で凍え死にかけた瀕死の経験が、ダウンウェア誕生のきっかけとなりました。
当時一般的だったウール素材のアウターと比べて、軽量性と保温性の両方を兼ね備えたのは画期的で、世界初のダウンジャケットの製品タグには「地球上で最も軽く、暖かい」と書かれていたそうです。
その後、エディー・バウアーが製作したダウンジャケットは、エベレストや南極などに出掛ける登山家や冒険家に提供され、また第二次世界大戦中には、軍からの要望により、極寒地用のダウン製品を支給しました。
つまり、ダウンウェアは元々、一人の冒険家の実体験から生まれ、作業服や軍服として、極限環境下での使用を経て、現在では世界中で愛される冬の定番アイテムとなりました。

暖かさのヒミツ:フィルパワー(FP)とは?
そもそも、なぜダウンウェアは暖かいのでしょうか?
暖かさの理由は、羽毛がたっぷりと蓄えた「デッドエア」と言われる「動かない空気の層」が強力な断熱材の役割を果たすためです。
そのため、ダウンジャケットを選ぶ際の指標となるのが「フィルパワー(FP)」になります。これは羽毛の「ふくらむ力」を数値化しています。
- 500FP以下: 低価格帯。やや重めでボリューム感は少なめ。
- 600〜700FP: 一般的な高品質ダウン。普段使い(タウンユース)には十分な暖かさ。
- 800FP以上: 超高品質。非常に軽く、真冬の登山や極寒地にも耐えられます。
ポイント: 「FPが高い=少ない羽毛で暖かい」ということ。そのため、FPが高いほどジャケットを軽く、コンパクトに作ることができます

ダウンは天然素材であるということ
ダウンは人工的には作れずに、主に食用の水鳥の副産物として採取されます。
フランス・ポーランド・ハンガリー・中国などが主な産地で、ハンガリーやポーランドが優良産地と呼ばれますが、鳥の生育環境や個体差、また採取時期などによって大きく左右されるのが現状です。
また天然素材であるため、時間・湿度・油分の影響を受けやすく、経年変化を前提にどう扱うかを考える必要があります。
つまり、ダウンに必要なのは「維持管理」という発想になります。
ダウンは消耗品ではありません。「どう使い、どうメンテナンスするか」を考えることで価値を高まります。ダウンに適切なメンテナンスを続けることで、10年、15年と長持ちし続けます。
そこにこそ、自然素材と向き合うという意味がでてくるのです。

ダウンとフェザーの違いとは?
ダウンウェアの中身には、ガチョウ(グース)やアヒル(ダック)など、水鳥の「ダウン(羽毛)」と「フェザー(羽根)」が使われています。
ダウンウェアを理解するためには欠かせないのがダウンとフェザーの素材の違いです。
- ダウン(羽毛) : 水鳥の胸から生えるタンポポのような綿毛、芯がなくダウンボールと呼ばれ、空気を多く含み、軽く保温性が高い。
- フェザー(羽根) : 水鳥や陸鳥の胸以外から生える羽軸がある羽根のこと、弾力性がありボリュームを保つ。
- 理想の比率: ダウン 90% フェザー 10% が高品質の証といわれています。
ひとつひとつの羽毛は「ダウンボール」と呼ばれ、ダウンボールは毛と毛が絡み合わないという特性があり、空気を溜め込むことができます。
その空気が断熱材となって、体温を外に逃さず身体を温めてくれるので、いかに空気を含める状態を保つかが大切になります。
ダウン製品の品質表示には「ダウン○○%、フェザー○○%」と表記が義務付けられていますが、一羽の水鳥から採れるダウンの量は僅か約5g~10gと言われ、まさに貴重な素材であり、ダウンの比率が高いほど軽く、暖かく、快適になりますが、ダウンだけでジャケットをつくってしまうと、ふっくらとしたボリュームが得られず、押し潰れたような状態になってしまいます。
そのためダウンジャケットには、ダウンとフェザー、どちらもが必要というその一方で繊細さも増します。つまり「高品質=扱いの難しさも増す」ということでもあります。

スタイル別の種類について
| 種類 | 特徴 | おすすめのシーン |
| ライトダウン | 薄くて軽い。インナーとしても使える。耐用年数が短い | 秋口、春先、コートの下 |
| シームレスダウン | 縫い目がなく、風や水の侵入を防ぐ。耐用年数が短い | 風が強い日、都会的な着こなし |
| ヘビーダウン | 厚手で高い保温力。防水性も高いものが多い。耐用年数が長い | 雪国、冬のアウトドア |
人気のブランドカテゴリー(2026年)
カテゴリー別に代表的なブランドを紹介します
ラグジュアリー
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モンクレール (MONCLER): 圧倒的なブランド力と美しいシルエット。
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カナダグース (CANADA GOOSE): 北極でも耐えられるほどの最強の防寒性。
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マッカージュ (MACKAGE): 近年注目度が急上昇している、エレガントなカナダ発ブランド。
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プラダ (PRADA): モダンで洗練されたデザインが特徴、イタリア発ブランド。
アウトドア
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ザ・ノース・フェイス (THE NORTH FACE): 「ヌプシ」や「バルトロ」など、ストリートでも大人気。
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パタゴニア (Patagonia): 環境への配慮と耐久性がピカイチ。
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モンベル (mont-bell): 日本発。高品質ながらコスパが非常に高く、実用性重視の方に。
ジャパン・クォリティ
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水沢ダウン (DESCENTE ALLTERRAIN): 岩手県の工場で作られる、防水・防風に特化したハイテクダウン。
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NANGA (ナンガ): 寝袋メーカー発。滋賀県で作られる、軽くて暖かい国内生産の高品質なダウン。
最近のトレンドについて(動物由来の羽毛を使わない)
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人口ダウン : 天然の羽毛(ダウン)の代わりに、ポリエステルなどの化学繊維を人工的に加工して作られた、軽くて暖かい中綿素材。
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リサイクルダウン: 着なくなったダウンジャケットなどから回収した羽毛を、洗浄・殺菌・再精製して、新品同様の品質に蘇らせた再生素材です。
- Save The Duck: 動物由来の羽毛を使わず、リサイクル素材や植物由来素材を積極的に採用するイタリア発ブランド。
大切な服を、長く着るためにーファー(毛皮)編

摩擦と熱に気をつけてください
- スレて切れたり折れたりする
- 熱で縮んだりする
- 香水などが原因でシミになる
冬物のお洋服のデザインの一部としてファーを用いられことが好まれています。
衿や、フードや袖口、ポケット口の渕毛として、部分使いされていることが多いです。
その場合の多くが、ラビットの毛皮を使用しているのですが、やや耐久性が低いことがあります。
着用時には、摩擦によるスレや熱に、特に注意することが必要です。
特に袖口やポケット口の毛だと、着用時に触れることが多く切れたり折れたりしやすくなります。
それに熱にも弱く、暖房器具に近付きすぎると、毛が縮んでしまうこともあるので注意が必要です。
また、香水を使用される方は、衿にファーが使われている場合など、香水が直接付きますと、シミになり
においが浸み付き、艶を失くしたり、変色の原因となるので、直接かからない様に注意が必要です。
ヘアオイルやヘアカラーなどもシミとなった場合には、除去が難しくなります。
ホコリや汚れにも気をつけて
- ホコリを吸収しやすい
- 汚れが付いたら硬く絞ったタオルでふく
- 優しくブラッシング
- ドライヤーの使用は避ける
外出から帰った場合は、ファーを軽くたたいて、付着したホコリを落としましょう。
その際に、優しくブラッシングしてあげると、ホコリも落ちて毛並みも整います。
もし外出時に汚れが付いてしまったら、水をつけて硬く絞ったタオルで拭いて、
その後に乾いたタオルで水分をふきとるといいでしょう。
突然の雨などで濡れた場合にも、乾いたタオルなどで水分をふき取れば大丈夫です。
いずれの場合も、自然乾燥させてください。ドライヤーは熱による縮みの原因となるので
使用は避けてください。
もし汚れが気になる場合にはプロのクリーニングにお任せすることをお勧めします。
ファーをしまう時は
シーズを通して数回しか着用していない場合でも、ファーは見た目が汚れていなくても、
ホコリを吸っていることが多く、そのまま収納するのではなくブラッシングなど、自分で出来る
お手入れをすることをおすすめします。
どういった場所に来ていったのかも大切です。飲食時などは気付かないうちに汚れていることが多く
しまう前には汚れていないか点検することをおすすめします。
シーズン通して着る機会の多い、ダウンやコートに部分使いされている、取り外しの出来る
フードの渕毛や襟などは、シーズン後にファークリーニングされることをお勧めします。
また何年も洗ったことのない毛皮のコートなどは、虫食い被害などから防ぐためにも、
定期的にクリーニングでメンテナンスするのが、長く着る秘訣になります。


