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お気に入りの服を長く大切に着るために-ニット編 part.2-

クリーニング店へ依頼する場合のポイント
クリーニングに出すべき「判断基準」
すべてのニットがクリーニング店へというわけではありませんが、以下のような場合はプロにまかせた方が安心です。
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水洗い不可マークがある: 「家庭での洗濯禁止」マークがあるものは、自宅で洗うと高確率で縮んだり、フェルトのように固まったりします。

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カシミヤ・アンゴラ・シルク: これら繊細な天然素材は、「手洗い可」であっても、プロによる「ドライクリーニング」が最も風合いを損ないません。
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落ちないシミや汚れがある: 食べこぼしや化粧品の汚れは、時間が経つと落ちにくくなるため、早めに相談しましょう。

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シーズン終わりの「仕舞い洗い」: 長期間保管する前は、見えない汗や皮脂を落とし切るためにプロの手を借りるのがベストです。
知っておきたい「クリーニングの種類」
ニットを洗う場合のクリーニング店での「クリーニング方法」になります。クリーニング店によって異なりますが、当店ではウール・カシミヤ・シルク素材はドライクリーニング、綿・麻・アクリルは水洗いが基本となります。
- ドライクリーニング : 水を使わず、石油系の有機溶剤で洗います。型崩れや縮みを防ぎながら、皮脂や油汚れを落とすのが得意です。
- ウエットクリーニング : プロの技術で「水洗い不可」の品物をあえて「特殊洗剤」で水洗いする方法です。ドライでは落ちにくい「汗によるゴワつき、臭い」をスッキリ落としたい時におすすめです。

クリーニングに出す時に伝えるべき「ひとこと」
受付で以下のことを伝えておくと、トラブルを未然に防げます。
- シミの場所と原因: 「いつ、何がついたか」を伝えて、シミ抜きを依頼してください。
- ホツレや穴あき: 事前に伝えておくことで、クリーニング中の悪化を防げます(リフォームも承ります)
- 仕上りに関して: 「汗が気になる」「毛玉が気になる」など気になっていることを伝えておく、適切なコースをすすめてくれます。
クリーニングから戻ってきたら
クリーニングから戻ってきた後、そのままクローゼットに入れるのはNGです。以下の点に注意して保管しましょう。
- 包装カバーはすぐに外す:カバーは運搬用のホコリよけです。被せたままだと通気性も悪く、湿気が溜まってカビや変色の原因になります。
- 陰干しして風を通す:カバーを外した後に、気になる方は、数時間は風通しの良い場所に置いて置きましょう。
- デザインに合わせて収納:吊って収納する場合にはニット用ハンガーなどを利用し、重みで伸びる場合があるものは、たたんで収納をおすすめします。
- 防虫剤の利用:ウール・カシミヤ・シルクなどは虫が好みますので、適切な防虫剤のご利用をおすすめします(防虫加工もおすすめします)
クリーニング店での作業内容とは
1. 洗浄前の検品と採寸
プロの仕事は、洗う前から始まっています。
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状態チェック: ほつれ、虫食い、ボタンの緩み、依頼されたシミの箇所を細かく確認します。
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採寸: ウェットクリーニング(特殊水洗い)を行う場合は、洗う前に着丈や袖丈のサイズを計測します。万が一、洗浄後に縮みが出ても、仕上げの段階で元のサイズに正確に復元するためです。
2. 洗浄:汚れに合わせた2つの洗浄方法
ニットの素材や汚れの種類(油性か水性か)によって、洗い方を使い分けます。
① ドライクリーニング(基本の洗浄)
「水」は使わずに「石油系などの有機溶剤」で洗う方法です。
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メリット: 繊維が膨らまないため、ウールやカシミヤの風合いに変化が少ないのが最大の特徴です。皮脂汚れやファンデーションなどの油溶性の汚れを落とすのが得意です。
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こだわり: デリケートなニットは専用ネットに入れ、溶剤の温度や洗濯機の回転数を厳密に管理して、繊維への摩擦を最小限に抑えます。カシミヤ・シルクなどの高級素材には加工剤を別に入れます。
② ウェットクリーニング(プロの特殊水洗い)
洗濯表示が「水洗い不可」のものでも、汗などの水溶性汚れを取るためにあえて「水」と「特殊洗剤」で洗う高度な技術です。
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メリット: ドライでは落ちにくい「汗や飲食汚れなどの成分」をしっかり除去し、シミ汚れやニオイを解消します。
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こだわり: 縮み・色落ちを防ぐ特殊な「ウェットクリーニング専用洗剤」を使用し、仕上に風合い重視のシリコン入り加工剤やニット用の復元加工剤を用います。
3. 乾燥:繊維にストレスを与えない
家庭の乾燥機でタオルなどの様に熱風でぐるぐる回すことはしません。
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静止乾燥: 形を整えた状態で、「自然乾燥」「低温乾燥」を組み合わせます。これにより、型崩れや摩擦による毛羽立ちを防ぎます。
4. 仕上げ:蒸気の力で「形」と「風合い」を復元
クリーニング店でニットが見違えるほど綺麗になる最大の理由は、この「蒸気(スチーム)」にあります。
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スチーム仕上げ: 業務用プレス機で強力なスチームを下から吹き上げ、繊維の奥まで蒸気を送り込んで編み目をふっくらとさせます。
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ブロー仕上げ: ボックス型の仕上機で、内側から温風と蒸気を送り込んで、立体的なシルエットに整えます。
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毛玉・毛ゴミ取り: 専用のブラシや毛玉取り機で整えます。

⚠️ 「さらさらドライ(汗抜き加工)」はしたほうがいい?
夏場はもちろん、冬も暖房や厚着で夏場よりも汗の成分が濃いと言われています。シーズン終わりに仕舞い洗いする際は、「さらさらドライ(汗抜き加工)」を追加すると、翌シーズンに黄色いシミや虫食いが発生するリスクを大幅に下げられます。
