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大切な服を、長く着るために-ダウンウェア編-

お気に入りのダウンウェアを長く、ふんわりと保つためのお手入れは、「日々のケア」「正しい洗濯」「適切な保管」の3点がポイントになります。自宅で洗える高機能なダウン専用洗剤も増えていますが、失敗しないためのポイントを整理して解説します。
日常のお手入れと自宅での洗濯について
ダウンウェアの性能を保つには「ロフト(膨らみ)」を潰さないことが重要とされています。
皮脂汚れや湿気で羽毛が固まってしまうと、空気を含まなくなるためには、適切なクリーニングと適切な保管が必要です。
1. 日常のお手入れ:毎日のお手入れに次の3点を少し意識するだけで、ダウンの寿命を延ばすことができます。
- 風を通す時間を作る(陰干し) : 帰宅したら軽く振ってホコリを落とし、湿気を逃がすために数時間、風通しの良い場所に陰干ししてください。
- 襟元・袖口のスポット清掃 : 汚れやすい部分は、おしゃれ着用中性洗剤を薄めた液をタオルなどに含ませて硬く絞り、叩くように拭き取ります。放置すると黒ずみになり、落ちにくくなります。注意点としては拭き取った場所が輪ジミになる場合もあります。
- 防水スプレーの活用 : 購入直後や洗濯後に防水スプレーをしておくと、汚れの付着を防げます。輪ジミにならないか注意が必要。
2. 自宅で洗う方法(手洗い or 洗濯機):まずは洗濯表示(ケアラベル)を必ず確認してください。「水洗い不可」マークがあるもの、レザー・ファー付きのものはプロに任せましょう。

- 手洗いの手順(推奨) : ダウンは浮きやすいため、手洗いが最も失敗しにくい方法です。
- 洗剤の準備 : ダウン専用洗剤、またはおしゃれ着用中性洗剤を用意します。
- 押し洗い : 浴槽や大きめの桶にぬるま湯(30℃以下)を張り、洗剤を溶かして、畳んだダウンをゆっくりと「沈める・浮かす」を20〜30回繰り返します。
- すすぎ : 水を入れ替えながら、泡が出なくなるまでしっかりすすぎます。
- 脱水 : 洗濯機に入れ、「1分以内」の短い脱水を数回繰り返します。
- 洗濯機を使う場合 : ファスナーやボタンをすべて閉じ、ネットに入れます。「手洗いコース」や「ドライコース」などの弱水流を選択してください。
3. 「ふんわり」仕上げる乾燥のコツ:ダウンの仕上げは「乾燥」で決まります。
- 陰干し : 形を整え、厚みのあるハンガーにかけて風通しの良い場所で干します。
- 途中でほぐす : 表面が乾いてきたら、中の羽毛をほぐすように軽く叩いたり、振ったりして空気を含ませます。
- 仕上げの乾燥機 : 完全に乾いた後、低温設定の乾燥機に10分ほどかけると、羽毛が立ち上がりフカフカになります。※洗濯表示でタンブル乾燥禁止の場合は避けてください。
4. シーズンオフの保管方法
- クリーニングの包装は外す : 包装のビニール袋のままだと湿気がこもり、カビの原因になります。不織布のカバーに掛け替えましょう。
- 圧縮袋はNG : 長期間圧縮すると、中の羽毛が折れたり復元力が低下したりします。
- ゆとりを持って吊るす : クローゼットに詰め込みすぎず、厚みのあるハンガーで保管してください。
シーズン終わりには必ずクリーニング
ダウン内部には、目に見えない汗・皮脂・湿気が蓄積しています。これらは時間の経過とともに、羽毛の絡まり(膨らみの低下)カビや臭い撥水性の低下といった変化を引き起こすため、シーズン終了時のクリーニングが最も重要となり、必ず必要になります。
「汚れていないように見える」ことと「状態が良い」ことは別問題。ここを区別できるかどうかが、ダウンウェアの寿命に直結していきます。
1.家庭洗濯とクリーニング店との違い
ダウンジャケットを自宅で洗うかクリーニングに出すかの大きな違いは、「コスト・手軽さ」と「仕上がりの復元力・安全性」のバランスにあります。
※家庭洗濯とクリーニング店に出す場合とを比較表にしてみました
| 項目 | 自宅で洗う(セルフ) | クリーニング店(プロ) |
| 費用 | 数十円〜数百円(洗剤代のみ安上がり) | 2,000円〜15,000円前後 |
| 仕上がり |
羽毛の偏りや、ふんわり感不足のリスクあり ※再現性が低い |
ふっくらとボリュームが復活する ※再現性が高い |
| 汚れ落ち | 水洗いなので汗や皮脂などの汚れが落とせる |
時間の経った皮脂汚れやシミの除去 プロによる特殊洗浄が可能 |
| リスク | 乾燥不足による臭い、中の羽毛のダマ化 | 水洗いでなくドライクリーニングで洗う場合がある |
| 所要時間 | 1日〜3日(乾燥に時間がかかる) | 1週間〜2週間程度 |
「家庭で洗えるダウン」が増えたことで、家庭での洗濯を選ぶ人もいます。しかし、洗濯表示の「水洗い可」でも「推奨」ではありません。
表示は洗濯できるというだけであり、仕上がりの品質を保証するものではないという点を理解しておく必要があります。
2.家庭で洗う場合のポイント
最近のダウンは自宅で洗えるものも増えていますが、「洗い」よりも「乾燥」が重要です。
- 外側が乾いていても内部は湿ったまま
- 羽毛が一度絡まると復元が難しい
- 生地や縫製への負荷は想像以上に大きい
これらは実際に自宅での洗濯した場合に多く寄せられたケースです。
この中でも「内部が乾ききったかどうか」は目視では判断しづらく、生乾きのまま収納するとカビ・臭いの原因になります。
3.プロのクリーニングに出す場合のポイント
では、プロのクリーニング店との違いを一言で言うなら、「ダウンが無理をしない条件を整える」ことにあります。
たとえば──
- 洗いの工程を、素材と状態に合わせて選択する
- 機械の容量管理を守り、羽毛の動きを妨げない
- 乾燥時に温度と時間を調整し、中まで乾燥しているかを確認する
- 羽毛の偏りを整える
- 全体の膨らみと風合いをチェックする
つまり──
※家庭洗濯は「できる・できない」ではなく、「仕上がりの再現性が低い」という点が大きなリスクです
※家庭洗濯とクリーニングとの違いを理解し、必要に応じてクリーニングに出すことで、ダウンの寿命は大きく伸びます
4.高級ダウンのお手入れが難しい理由とは?
高級ダウン(モンクレール、カナダグース、タトラスなど)は、素材・縫製・加工が緻密で、構造も複雑で、自宅での失敗は致命的です。
- 表地に独自の加工が施されている
- 羽毛の品質が高いほど繊細
- キルト構造の違いで乾燥の難易度が変わる
- ウール、シルク、レザーなどの場合
こうした理由から、通常コースでは想定されていないリスクが増えるため、より慎重な洗浄・乾燥工程を必要とします。高級ダウンこそ「どのコースを選ぶか」が、その後の寿命を決める大きな要素になります。
もし、自宅で洗ってしまい、ボリュームがなくなった場合でも、当店のクリーニングで復元できる可能性もありますので、一度ご相談ください。

