2026-01-27 09:29:00

大切な服を、長く着るために-靴・ブーツ編-

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シューズやブーツを長持ちさせるコツは「連日は履き続けない」「ブラッシング」などのひと手間が必要です。デイリーケアやプロに任せる場合などをまとめてみました。


お家でのデイリーケアについて

1. 帰宅してすぐの「30秒ルーティン」

家に着いて靴を脱いだら、以下の3つを行うだけで見違えるほど長持ちします。

  • ブラッシング(馬毛ブラシ):

    その日に付いたホコリや花粉を払い落とします。ホコリは革の水分を吸い取って乾燥(ひび割れ)の原因になるため、「汚れを落とす」というより「乾燥を防ぐ」ために重要です。

  • シューキーパー(シューツリー)を入れる:

    脱ぎたての靴は足の熱と湿気で革が柔らかくなっています。その状態でキーパーを入れることで、歩きジワを伸ばし、型崩れを防ぎます。

    プロのコツ: 脱いですぐ入れるのが理想ですが、湿気がひどい時は30分ほど置いてから入れると、カビのリスクをさらに減らせます。
  • 「定位置」に置く:

    すぐに下駄箱へしまわず、玄関で一晩放置し、中の湿気を完全に飛ばします。


2. 絶対に守りたい「休息」のルール

靴にとっての最大の敵は、自分の足から出る汗(1日コップ1杯分とも言われます)です。

  • 「1日履いたら2日休ませる」:

    同じ靴を毎日履くと、中の湿気が抜けきらず、革が傷み、ニオイやカビの原因になります。最低でも3足でローテーションさせるのが理想的です。

  • 連日は履かない:

    お気に入りの一足こそ、中2日は休ませてあげてください。


3. 履く・脱ぐ時の「ひと手間」

ここを疎かにすると、どんなに高級な靴でも一気に「ボロ」に見えてしまいます。

  • 必ず「靴べら」を使う:

    かかとを潰してしまうと、靴の骨組みが壊れて修復不能になります。携帯用の靴べらを持ち歩くのがデキる大人の嗜みです。

  • 紐を解いて脱ぎ履きする:

    紐を結んだまま無理やり脱ぎ履きすると、履き口が広がり、フィット感が損なわれます。


4. 【素材別】毎日のプラスアルファ

素材 毎日のポイント
スムースレザー(一般的な革) 表面が曇ってきたら、クロスでサッと乾拭きするだけでツヤが復活します。
リアルムートン ブラッシングで毛並みを整え、中のボアに風を通すように筒を立てて保管します。
スエード 毛足の中に砂が入りやすいので、逆毛を立てるようにブラッシングして砂を掻き出します。

 

リアルムートンのお手入れ

リアルムートン(本革・シープスキン)は、天然素材ならではの暖かさと風合いがある分、フェイクムートンよりも「乾燥」と「カビ」への注意がより重要になります。


1. リアルムートン専用の「ブラッシング」術

リアルムートンは表面の繊維が細かいため、ブラッシングの仕方が寿命を左右します。

  • 「面」ではなく「奥」を意識: 表面をなでるだけでなく、少し毛をかき分けるようにブラッシングして、奥に入り込んだ砂やホコリを掻き出してください。

  • テカリが出たら:

    よく擦れる部分(かかとや筒の折り返しなど)が寝てテカってきたら、スエード用の真鍮ブラシ(金櫛)で優しく逆立てるようにブラッシングすると、ふんわりとした起毛感が戻ります。


2. リアルムートン「3つのNG」

天然の革は、以下の行為で取り返しのつかないダメージを受けることがあります。

  1. 直射日光・ドライヤー: 濡れたからといって急激に乾かすと、革の油分(ラノリン)が抜けてバリバリに固まってしまいます。必ず常温の陰干しが鉄則です。

  2. アルコール除菌スプレー: シミや色落ちの原因になります。外側にアルコールがつかないよう気をつけてください。

  3. 家庭用洗剤での丸洗い: リアルムートンは水に浸けると型崩れや色ムラの確率が非常に高いです。「全体的に汚れたな」と感じたら、ネット検索で、自宅での水洗い方法を調べて無理するのではなく、プロの靴クリーニングに出すのが安全で賢明です。


3. 「内側のボア」を清潔に保つコツ

リアルムートンの良さは吸湿性ですが、それでも汗は吸い込みます。

  • 除湿剤を「入れっぱなし」にしない:

    乾燥させすぎると革が割れる原因になります。脱いだ直後〜数時間だけ乾燥剤を入れ、あとはシューキーパーや新聞紙に切り替えるのがベストです。

  • 消臭:

    天然の羊毛には自浄作用がありますが、臭いが気になる時は、「天然成分の除臭スプレー」を布に含ませて、内側を軽く拭く程度にしましょう。

家庭ではできないプロに任せるメリットとは

プロのクリーニング店に依頼すると、家庭ではできない「専用の溶剤」「徹底した除菌」「高度な仕上げ」を行います。「革を水で洗って大丈夫なの?」という不安を解消するために、プロの洗浄工程を詳しく解説します。


1. 受入れの検品と診断

まず、靴の状態をプロの目でチェックします。

  • 素材(スムース、スエード、ムートンなど)とコンディションの入念な点検・確認

  • シミ、傷、カビ、型崩れ、ソール(底)の減りや剥がれがないかを確認。

  • 種類や素材、コンディションに合わせて洗浄方法を見極めます。

2. 前処理(シミ抜き・汚れ落とし)

いきなり全体を洗うのではなく、特に目立つ汚れ・シミを前処理します。

  • 頑固な油汚れや、つま先の黒ずみなどを、専用のステインリムーバーやブラシで丁寧に浮かせていきます。

3. 洗浄(プロの「水洗い」)

ここが家庭と一番違うポイントです。

  • 専用ソープ: 皮膚と同じ「弱酸性」や、革に栄養を与える「タンパク質成分」が含まれた特殊な洗剤を使用します。

  • オゾン水の使用: 漂白・除菌・消臭効果が非常に高い「オゾン水」に浸けて洗浄します。目に見えない雑菌やカビの根、染み付いたニオイを根本から分解します。

  • 職人による手洗い: 「靴専用シリコン洗浄機」を導入している店舗もありますが、職人による「手洗い」になります。

4. 乾燥(温度・湿度管理)

革にとって「熱」は天敵です。

  • 低温度の遠赤外線真空乾燥機で生地にダメージを与える事無くソフトに乾燥します

5. 仕上げ

最後に見栄えを整えます。

  • 低温度の靴・ブーツ専用プレス機でお品物を1点1点丁寧に、熟練した職人が整形して仕上げ致します。

5. オプション

ご要望に応じたオプションメニューがございます。

 

  • 撥水加工 : スエードやムートンブーツにはシミになりにくくなる撥水加工が効果を発揮します。

  • 「色掛け加工」 : 色合いの剥がれた部分やスエードの色褪せなどの色合いの復元をする『色掛け加工』があります。
  • つま先のキズ直し : 黒色革靴のつま先の傷を特殊な技法により目立たなくさせます。*キズ直しは銀面製品のみになります。
  • 修理 : リフト交換・ハーフソール交換、オールソール交換、中敷の取り替え等修理ができます

詳しくはこちら!

靴・ブーツクリーニング