2026-01-31 09:29:00

大切な服を、長く着るために-きもの編-

AdobeStock_317503311.jpeg

着物のお手入れは「難しそう」というイメージがありますが、実は「湿気」と「直射日光」さえ気をつければ、お家でもメンテナンスが可能です。

着た後のケアから保管、クリーニングのタイミングまで、大切なポイントをまとめました。


1. 着た直後のお手入れ(基本の3ステップ)

脱いですぐに畳んでしまうのは厳禁です。まずは体温と汗を逃がしましょう。

  • 陰干し(一晩〜1日)

  1. 着物ハンガーにかけ、直射日光の当たらない風通しの良い室内で干します

  2. ポイント: 蛍光灯の光でも長時間浴びると変色(色ヤケ)の原因になるため、カーテンを閉めて暗い場所で干すのがベストです。
  • ホコリを払う
    乾いた柔らかい布や和装用ブラシで、上から下へ優しくホコリを払います。

  • 汚れのチェック
    衿(えり)、袖口、裾(すそ)の3箇所は特に汚れやすいので、明るい場所で入念にチェックしましょう。


2. シミや汚れを見つけた時の応急処置

着物のシミ抜きは「こすらない」ことが鉄則です。

⚠️ 正絹(シルク)の着物はセルフでの応急処置は避ける

絹は水に濡れると縮んだり、輪ジミになったりしやすいデリケートな素材です。汚れを見つけたら、無理に触らず専門店(クリーニング店)へ相談するのが一番安全です。


3. 保管と「虫干し」

着物の最大の敵はカビです。

  • たとう紙(文庫紙)に入れる: 一枚ずつ包みます。たとう紙が黄色くなっていたら湿気を吸っているサインなので、新しいものに交換しましょう。

  • 保管場所: 桐の箪笥が理想ですが、なければプラスチックケースでもOK。その際は底に除湿シートを敷き、着物に直接触れないように防虫剤を置きます。

  • 虫干し(季節のメンテナンス):  年に1〜2回、天気の良い乾燥した日(1月、7月、10月頃)に、数時間だけ陰干しして湿気を飛ばします。


4. クリーニングに出すタイミング

着物の種類や、次に着る予定に合わせて判断します。素材や着る頻度によってもタイミングは異なります。またシミも放置すると除去出来なくなるため、見極めが肝心です。

着る頻度・種類 クリーニングの目安
フォーマル(振袖・留袖など) 「1回着るたび」に出すのが安心です。次に着るのが数年先になることが多く、わずかな皮脂汚れや汗が数年後に「落ちない黄ばみ」に変わるのを防ぐためです。
カジュアル(小紋・紬など) 「シーズンの終わり」に一度でOK。ワンシーズンに数回着るなら、その間は陰干しのお手入れだけで回し、最後にまとめてリセットします。
長襦袢(ながじゅばん) 「1〜2回に一度」。肌に最も近く汗を吸いやすいため、着物よりも頻繁にお手入れが必要です。
  • 正絹(シルク)の着物

  1. 頻繁に着る場合: シーズンの終わりに一度「丸洗い」へ
  2. たまにしか着ない場合: 着るたび、または数回に一度。長期間(数年)しまっておく前には必ずクリーニングに出しましょう。
  • 家庭でも洗える着物(ポリエステルなど)
    家庭の洗濯機で洗えます。ネットに入れ、おしゃれ着用中性洗剤で弱水流で洗い、脱水は短め(30秒〜1分)にして陰干しします。

  • クリーニングに「すぐ出すべき」タイミング
    食べこぼし、泥はねがある場合は、時間が経つほど繊維に染み込み、落ちにくくなります。

5. 知っておきたい「クリーニングの種類」

着物のクリーニングにはいくつか種類があり、汚れに合わせて使い分けるのが賢い方法です。

  • 丸洗い(まるあらい):

    着物を解かずにそのまま洗う「ドライクリーニング」です。チリ、ホコリ、皮脂、ファンデーションなどの油性の汚れを落とすのに適しています。

  • 汗抜き(あせぬき):

    丸洗いだけでは落ちない水性の汚れ(汗)を抜く作業です。夏場や、暖房の効いた室内で長時間過ごした後は、丸洗いにプラスして指定しましょう。

  • シミ抜き:

    特定の汚れ(醤油、ワイン、泥など)を熟練した職人が落とします。


6. クリーニングが不要なケース

以下のような場合は、急いでクリーニングに出す必要はありません。

  • 数時間、室内で短時間着ただけ: 目立つ汚れがなく、汗もかいていないなら、風通しの良い場所で1日陰干しして湿気を飛ばすだけで十分です。

  • 近いうちに(1ヶ月以内など)また着る: 予定が終わってからまとめて出しましょう。


 

きもの大好き職人が手掛けています

きもの工房