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大切な服を、長く着るために-きもの編-
着物のお手入れは「難しそう」というイメージがありますが、実は「湿気」と「直射日光」さえ気をつければ、お家でもメンテナンスが可能です。
着た後のケアから保管、クリーニングのタイミングまで、大切なポイントをまとめました。
1. 着た直後のお手入れ(基本の3ステップ)
脱いですぐに畳んでしまうのは厳禁です。まずは体温と汗を逃がしましょう。
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陰干し(一晩〜1日)
- 着物ハンガーにかけ、直射日光の当たらない風通しの良い室内で干します
- ポイント: 蛍光灯の光でも長時間浴びると変色(色ヤケ)の原因になるため、カーテンを閉めて暗い場所で干すのがベストです。
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ホコリを払う
乾いた柔らかい布や和装用ブラシで、上から下へ優しくホコリを払います。 -
汚れのチェック
衿(えり)、袖口、裾(すそ)の3箇所は特に汚れやすいので、明るい場所で入念にチェックしましょう。
2. シミや汚れを見つけた時の応急処置
着物のシミ抜きは「こすらない」ことが鉄則です。
⚠️ 正絹(シルク)の着物はセルフでの応急処置は避ける絹は水に濡れると縮んだり、輪ジミになったりしやすいデリケートな素材です。汚れを見つけたら、無理に触らず専門店(クリーニング店)へ相談するのが一番安全です。
3. 保管と「虫干し」
着物の最大の敵はカビです。
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たとう紙(文庫紙)に入れる: 一枚ずつ包みます。たとう紙が黄色くなっていたら湿気を吸っているサインなので、新しいものに交換しましょう。
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保管場所: 桐の箪笥が理想ですが、なければプラスチックケースでもOK。その際は底に除湿シートを敷き、着物に直接触れないように防虫剤を置きます。
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虫干し(季節のメンテナンス): 年に1〜2回、天気の良い乾燥した日(1月、7月、10月頃)に、数時間だけ陰干しして湿気を飛ばします。
4. クリーニングに出すタイミング
着物の種類や、次に着る予定に合わせて判断します。素材や着る頻度によってもタイミングは異なります。またシミも放置すると除去出来なくなるため、見極めが肝心です。
| 着る頻度・種類 | クリーニングの目安 |
| フォーマル(振袖・留袖など) | 「1回着るたび」に出すのが安心です。次に着るのが数年先になることが多く、わずかな皮脂汚れや汗が数年後に「落ちない黄ばみ」に変わるのを防ぐためです。 |
| カジュアル(小紋・紬など) | 「シーズンの終わり」に一度でOK。ワンシーズンに数回着るなら、その間は陰干しのお手入れだけで回し、最後にまとめてリセットします。 |
| 長襦袢(ながじゅばん) | 「1〜2回に一度」。肌に最も近く汗を吸いやすいため、着物よりも頻繁にお手入れが必要です。 |
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正絹(シルク)の着物
- 頻繁に着る場合: シーズンの終わりに一度「丸洗い」へ
- たまにしか着ない場合: 着るたび、または数回に一度。長期間(数年)しまっておく前には必ずクリーニングに出しましょう。
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家庭でも洗える着物(ポリエステルなど)
家庭の洗濯機で洗えます。ネットに入れ、おしゃれ着用中性洗剤で弱水流で洗い、脱水は短め(30秒〜1分)にして陰干しします。 - クリーニングに「すぐ出すべき」タイミング
食べこぼし、泥はねがある場合は、時間が経つほど繊維に染み込み、落ちにくくなります。
5. 知っておきたい「クリーニングの種類」
着物のクリーニングにはいくつか種類があり、汚れに合わせて使い分けるのが賢い方法です。
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丸洗い(まるあらい):
着物を解かずにそのまま洗う「ドライクリーニング」です。チリ、ホコリ、皮脂、ファンデーションなどの油性の汚れを落とすのに適しています。
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汗抜き(あせぬき):
丸洗いだけでは落ちない水性の汚れ(汗)を抜く作業です。夏場や、暖房の効いた室内で長時間過ごした後は、丸洗いにプラスして指定しましょう。
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シミ抜き:
特定の汚れ(醤油、ワイン、泥など)を熟練した職人が落とします。
6. クリーニングが不要なケース
以下のような場合は、急いでクリーニングに出す必要はありません。
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数時間、室内で短時間着ただけ: 目立つ汚れがなく、汗もかいていないなら、風通しの良い場所で1日陰干しして湿気を飛ばすだけで十分です。
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近いうちに(1ヶ月以内など)また着る: 予定が終わってからまとめて出しましょう。

